わたしの忘れられないお客さま 第2回:もう一人のお母さん

もう一人のお母さん

「そういえば最近、お顔を見ないな…」
毎月、ご来店くださっていたお客さまを、ぱたりとお見かけしなくなり、私は心配を募らせていました。

その方は、数年前、私が新人だった頃に初めてカウンセリングをさせて頂いたお客さまでした。
胸元の実習生バッジに気づいてくださり、「がんばってね」と声をかけてくれたり、バッジが取れると、「おめでとう!」と一緒に喜んでくださった方です。

そのお客さまのことを気にかけていたところ、ある日、私の不在時にご来店があったと先輩が教えてくれました。
「あなたが心配していたことを伝えたら、明日も来てくださるって!」私の気持ちを知って、すぐにご来店くださるというお客さまに、胸がいっぱいになりました。

翌日 ——
「ありがとう、まるで実の娘のように、私のことを心配してくれて!」その言葉に、私は思わず泣きそうになってしまいました。

あれから数年経ち、先日私は結婚しました。そのことをお客さまにお話しすると、「えー!!!そんな話全然していなかったのに!おめでとう!」と、店内に響き渡る声で喜んでくださったのです。

思わず、「本当のお母さんみたいに喜んでくださって嬉しいです!」と、私が言うと、「もう親子みたいな関係ね」と、お客さまが。

こんなに素敵なお客さまと出会えたことは、私の誇りです。

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