わたしの忘れられないお客さま 第4回:電話越しのエール

電話越しのエール

「これから主人が向かいますので、商品をご用意していただけますか?」

お店にいただいた一本のお電話が、お客さまとの初めての出会いでした。電話越しでもとても優しいお人柄が伝わってきたことをよく覚えています。

その方は、以前は直接ご来店くださっていたそうですが、ご病気になられてからは来店することが難しく、お電話でご連絡いただいていたのです。

店頭で直接ご案内ができない分、少しでもお役に立ちたいと思い、以来、私がお電話を取った時は毎回、ご注文の品に、お手紙を添えてお渡しすることがお決まりに。

そんな中、他県への異動が決まり、そのことをいつものお手紙でお伝えしました。「もうお客さまと、電話や手紙でお話しすることができないのか」と、とても寂しい気持ちになりました。

異動して3週間がたった頃でした。異動先の店舗に私宛のお電話があったのです。そのお相手は、なんとあのお客さま。「今日、久しぶりに自分でお店に行けたのよ!」と、嬉しそうにお話をしてくださいました。

ご来店の際に、私の異動先の電話番号を聞いて、わざわざお電話をかけてくださったとのこと。

「ずっとあなたの異動が気になっていたの。がんばってくださいね、と伝えたくて。」

お客さまの優しい言葉、そしてお電話までくださったことが、何よりも嬉しく、今でも忘れられません。

一度も、お顔を拝見したことはありませんが、電話越しに伝わる、優しさとあたたかさ。 その方からいただいた一本のお電話が、今も私の励みになっています。

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